光と風が南北に抜ける家/約40坪の広さを持つマンションのリノベーション。計画地は、北向きに開口部が広がる扇型のような形をした区画で、窓からは近隣の公園や緑を望むことができる見晴らしの良い場所である。
改修前のプランでは、区画中央に各部屋を結ぶ中廊下があり、その廊下を介して各個室やリビングルームなどを行き来する効率的なレイアウトとなっていた。これは機能としては過不足ない一方で、廊下によって南北の空間が分断されるため、部屋同士の繋がりを感じにくく、空間全体としても薄暗い印象を与えていた。
そこで計画では、リビングダイニングを区画の中央に配置することで、廊下となる空間を極力少なくし、リビングスペースを介して各個室などの諸機能が連続することを考えた。また、この中心となる大空間を南北を貫通するように配置することで、家の中心が廊下で遮られることなく、光や風が抜けていく空間となっている。部屋同士の繋がりや外部との関係性を見直すことで、住まい方の再構成を試みた。
計画種別:内装設計
用途:住居
計画期間:2021年11月~2022年10月
計画面積:133.37平米
計画地:福岡県福岡市中央区
設計:ケース・リアル 二俣公一 古村浩一
施工:時空建築工房
照明設計:コイズミ照明
写真:水崎浩志