「NEW AUCTION」は、従来のオークションの概念に縛られずに新しい体験や価値を提供することを目指して設立された、東京・原宿エリアを拠点とするオークションハウスである。今回の計画では、彼らのオークションフローの中で行われる作品のビューイングスペースを、オフィス機能と併せて設計することになった。計画地は、ビルの屋外階段を下ってすぐそばにある約30坪の地下空間である。ここへ、出品前のアートの保管、そしてオークション開催前に実物を確認してもらうための作品展示、商談などの機能に対応できるスペースが求められた。私たちはまずはじめに、階段を降りてこの場所の第一印象を決めるファサードを改修することを考えた。具体的には、共用部に面した壁を可能な限りガラス面として開放し、大きなL字型のウィンドウとして整え直している。さらに黒いフレームでこの開口部を縁取り、白を基調とした内部とコントラストをつけた。また、開口部の高さは法規上必要となる排煙窓の高さから算出しており、全体をシームレスなウィンドウとすることで、展示空間を遮ることなく見渡せるようなアプローチを考えた。エントランスの一部には共用部の床と同じ御影石を貼り延ばし、室内は白で染色をかけたフローリングと白壁で構成。一方のストックとオフィススペースはラフな仕上げとして、空間の性質を分けた。
クライアント:New Auction Inc.
計画種別:内装設計
用途:ギャラリー
計画期間:2021年11月~2022年4月
計画面積:99.25平米
計画地:東京都渋谷区神宮前
設計:ケース・リアル 二俣公一 大仁田雄輝
施工:ディーブレーン
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基
写真:志摩大輔(ストック、既存写真を除く)