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亀の井別荘 湯の岳庵

大分県有数の温泉地、由布院に位置する”亀の井別荘”のレストラン棟「湯の岳庵」の改修計画。既存のレストラン棟は茅葺屋根の趣ある外観で、その内部も重厚な梁組みや柱など、建物の年月を感じさせる落ち着いた空間であった。一方で、もともと見せ場となっていたオープンスタイルの鉄板カウンターが老朽化し、全体の面積も圧迫していたことから、施主はこれを縮小して客席面積を充実させることを希望していた。計画では、第一に建物の良さを生かすこと、そして必要な機能をレイアウトし直すことで空間を効率的に使い、新たな見せ場を作ることを目指した。

店内には前述の鉄板カウンターのほか、ドリンク提供スペースも客席から見える位置にあり、私たちは厨房機能と客席にめりはりをつけることが重要だと考えた。まず鉄板焼やドリンク関連の機能はメインの厨房内に集約し、それによって出来た新たな空間を客席や個室に変更。さらに厨房と客席を結ぶ動線上に、新たにワインセラー室や吹き抜けのあるラウンジスペースを設け、客席と厨房の間にバッファを作って棲み分けを明確にしている。また、エントランスにはウォールナット材で仕上げたレセプションカウンターを設置。床の仕上げには素焼きタイルを、間仕切りにはガラスを用い、緩やかに空間を仕切りながら来客を迎え入れる落ち着いた雰囲気を作った。

既存の建物を生かす上でもう一つ重要だったのが、照明や天井まわりの計画である。旧来の日本家屋のように、ペンダントライトを中心に計画されていた配灯を見直し、梁組みの存在感が引き立つような照明計画としている。そして一部下がり壁を撤去することでその効果を強め、上部にも広がりを感じられる空間を意識した。一方、店内の床は既存と同じサイザルで仕上げて、貼り替えを行うのみに留めた。全体を現代の設えとして更新しながらも、もともと持っている要素を受け継ぐことで、新旧が混ざり合うような計画を目指した。

クライアント:亀の井別荘
計画種別:内装設計
用途:レストラン
計画期間:2022年9月~2023年12月
計画面積:191.68平米
計画地:大分県由布市湯布院
設計:ケース・リアル 二俣公一 古村浩一
施工:グレイス
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基
写真:水崎浩志

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