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佐助の家

鎌倉にある、周囲を緑に囲まれた住宅地での計画。敷地は間口に対して深さのある奥長い形状で、その中央には大きな桑の木が残されていた。また、裏手には急斜面の崖地があり、計画はこの崖地にかかる条例を踏まえて進める必要があった。一方、施主はそれぞれプロダクトデザイン、ピアノ教室を業とする夫婦で、彼らからは中央の大木を生かすこと、そして各々の仕事場をこの住宅の中に設けることを求められた。これらの要件を踏まえて生まれたのが、ちょうど大木のある敷地中央でわずかに折れ曲がる、くの字型のシンプルな切妻屋根のボリュームである。私たちはこの角度をつけたことによって、いくつかの課題を同時に解決することが可能になった。
まず外部空間において、崖地から建物まで条例・防災上必要となる距離を確保すること、そして隣地からの距離を取ることである。また、施主は計画当初より崖地をネガティブなものとして拒否するのではなく、適度に受け入れることを希望していた。私たちはボリュームをわずかに曲げたことによって、崖地との空間的なつながりを持たせつつも、アプローチからの視線をコントロールすることが可能になった。
内部空間においては、角度が切り替わる建物中央部分に玄関を設けることで、スタジオとピアノ室、夫婦それぞれの仕事場へのアプローチを感覚的に分けることが出来た。そしてそれらのワークスペースを浴室などの水回りと共に1階に、2階にはリビングや寝室をレイアウトし、パブリックとプライベート機能をフロアで分けている。さらに建物中心に階段を設け、リビングから寝室、プライベートフロアからワークフロアへと、角度の変化と共に気持ちが切り替わるような動線と吹き抜け空間を考えた。建物西面は、中央の大木を意識しながら開口を設定。1日の光の変化や季節の移ろいを室内で感じられるようにしている。2階のキッチンスペースは構造的に必要だった壁を利用し、あえてボックススペースとして計画した。室内の仕上げは天井のみ合板で仕上げ、全体はツヤなど質感のみコントロールして白で統一。デザインを行う施主のための居場所だからこそ、余計な素材感や造作を避け、極力主張のないニュートラルな場所を目指した。

計画種別:新築
用途:住宅
計画期間:2017年9月~2019年9月
構造:木造
規模:地上2階
建築面積:98.26平米
延床面積:192.55平米(1F/98.04平米、2F/94.51平米)
敷地面積:300.08平米
計画地:神奈川県鎌倉市
設計:ケース・リアル 二俣公一 大仁田雄輝
設計協力・施工:吉田工務店
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基
植栽計画:GREENETTA 高浦 裕子
写真:志摩大輔

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