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STUDIO MULE MUSIC+DRINKS

国内外のハウス・テクノミュージックシーンを牽引する音楽レーベル「mule musiq(ミュール・ミュージック)」のための新たなスペース”STUDIO MULE”の計画。ここでの”studio”はミュージックスタジオではなく、フランス語で”小さな部屋”の意。約11坪の限られたスペースに、「エレクトリックでエレガントな音楽」「愛すべきビンテージオーディオ」「本物のナチュラルワイン」といった、レーベルのディレクターでありオーナーの好きなものを凝縮する、嗜好性の強い空間の計画が求められた。まず必要となったのは、オーナーが所有しており、レーベルのインスピレーションの源とも言える大量のビンテージレコードのストック、そしてナチュラルワインのためのセラーである。これらの収納を確保するため、計画ではL字のカウンターを軸とすることで、それぞれの機能を独立させながら設けることを考えた。そしてカウンターの天板には表情が特徴的なブラジル産のみかげ石を用い、ここへダークグリーンのカラーを組み合わせて、落ち着いた空気がありながらも個性的でモダンなレーベルの空気感を意識している。また、カウンターに並ぶハイチェアはこの場所のためのオリジナルチェア。レーベルの頭文字であるMをモチーフに、補強材を入れて特徴的な後ろ姿をデザインした。カウンター脇にある1畳足らずの視聴室ではレーベルのタイトルを一人で楽しむ事が出来、小さな空間は「電話ボックス」の愛称として定着しつつある。素材の選定から構成まで全てにおいて、オーナーが持つ雰囲気を強く意識しながら行ったプロジェクト。時間をかけて使い込まれる中で、より馴染んでいくことを願っている。

クライアント:mule musiq
計画種別:内装設計
用途:ミュージック&ワインバー
計画期間:2020年2月~2020年7月
計画面積:38.64平米
計画地:東京都渋谷区神山町
設計:ケース・リアル 二俣公一 橋詰亜季
施工:アンドエス
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基
家具製作: E&Y
サイン:ステファン・マークス
写真:志摩大輔

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