ガスコンロや給湯器、暖房システムなどの熱エネルギー機器を提供するリンナイが、新たに開設したブランド体験施設の計画。商品を体験できることはもちろん、エンドユーザーやデザイナー、設計者など多様な人々が空間も含めてブランドを体感し、集い交わる「暮らしの拠点」としての場が求められた。
計画地は、東京・南青山エリアにあるビルの1階と4階で、ライトグリーンのモザイクタイルが印象的なファサードを持つ。既存空間でまず課題となったのが、ビルが角地に位置しながらも、ウィンドウやエントランスの在り方によって通りから室内へ意識が向かいにくい点であった。一方で、1階に求められた主要な機能-多目的なイベントスペース/来訪者のためのカフェやワークテーブル/商品を見せるためのディスプレイ機能-これらの要件を収めるには、面積的に十分な余裕があることが分かった。こうした課題と条件を踏まえ、私たちは1階のエントランスに大きな三角形のインナーテラスを設けることを計画の核とした。三角形の一辺には、ファサードに対して斜めに角度を振ったガラス間仕切りを配置し、残りの二辺は大判のFIX窓や開放可能な引戸で構成。インナーテラスを設けることで室内へ視線を引き込むと共に、訪れる人を迎え入れる余白のような空間を目指した。
また、パブリックな位置付けの1階に対し、テラスのある4階は住空間の設えの中で商品を体感できるフロアとして計画。1階では白やグレーを基調に、テラゾータイルやセラミックストーン、ステンレスなど硬質な素材で空間を組み立てたのに対し、4階は左官材やブラウンの木材を取り入れて、適度な柔らかさや落ち着きを意識した。各フロアで空間のトーンに差を持たせながらも、全体は質実剛健なブランドイメージを意識し、重厚感や凛とした空気の中にある居心地の良さを目指した。
クライアント:リンナイ
計画種別:内装設計
用途:ショールーム
計画期間:2024年5月~2025年4月
計画面積:875平米
計画地:東京都港区南青山
空間設計:ケース・リアル 二俣公一 下平康一 久保山実暉
施工:美留土
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基
植栽計画:GREENETTA 髙浦裕子
家具コーディネート:インターオフィス
クリエイティブディレクター:CASADUY 服部友厚
ブランドディレクター:B&H 今村玄紀
コンテンツディレクター:inu 藤本美紗子
プロジェクトマネージャー:COPILOT 船橋友久
アートディレクター:B&H 富田良祐
スタイリング:竹内優介
写真:志摩大輔