ヨーガンレール+ババグーリの博多店の内装計画。区画は、その二面を大きなガラスウィンドウで囲われた路面店で、ほぼ長方形のシンプルな箱型の空間であった。そのため、天然素材にこだわったものづくりを行うブランドのイメージには既存空間の無機質さや単調さを崩し、もう少し柔らかさをもつ空間にするのが良いと考えた。そこで計画では、大きな曲線を描く壁を奥行き方向に連ねてレイアウトし、店舗の中に連続的で切れ目のない、おおらかな二つのシーンが生まれるようにした。ブランドイメージにインスプレーションを得てグリーンで仕上げた壁は鉄骨で下地を組み、左官によって強固な分厚い壁で形成している。そしてウィンドウ面に沿ってレイアウトしたL字型のシェルフは建築の柱を生かし、こちらも鉄骨の下地とモルタルを用いて店内の柱を連結するようなダイナミックなボリュームを考えた。曲線によっておおらかさがありながらも、自然が持つ荘厳な空気に通じるような、強さのある空間を目指した。
クライアント:ヨーガンレール
計画種別:内装設計
用途:ブティック、ギャラリー
計画期間:2020年4月~2020年10月
計画面積:175.12平米
計画地:福岡市中央区天神
設計:ケース・リアル 二俣公一 下平康一
施工:オブ
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基
写真:水崎浩志