ヨーガンレールのための内装計画。敷地は南青山の角地にあるRC造の建物で、そのボリュームの二面に大きなウィンドウ面を持つ、自然光の入り方が美しい場所であった。一方で、前面道路の高さからエントランスまでは下るようにスロープになっており、1階の床はさらにそこから50cmほど低くなっているなど、グラウンドレベルと内部の高低差が激しい空間でもあった。計画では、この高低差を極力小さくして差を埋めるのではなく、最大限生かして天井高さの大きな空間を確保することにした。まず店内のエントランスには、広葉樹の無垢材で出来た奥行きの深いステップを設置。ブランドの持つ自然体で大らかな雰囲気にフィットするよう、大きく丸みをつけ、導入部からその世界観を感じられるようにした。またアプローチも含めて一体的な空気を作るため、外構周りから内部にかけて、床は全て同材の天然石を張り込んだ。そしてここへオーク材や布クロスのほか、照明や吊り下げラックなどを必要に応じてカスタム出来る、溶融亜鉛メッキ仕上げのオリジナルの照明ラインを掛け合わせ、天然素材の持ち味を生かしたものづくりを行うヨーガンレールにふさわしい素材構成を考えた。ギャラリーフロアである2階は、1階と同じ天然石で床を仕上げつつ、壁やキッチンカウンターは彩度の高い左官仕上げとなっている。ブランドイメージからインスピレーションを受けたカラーで、フロアに上がった瞬間に1階とはまた異なる雰囲気を感じられることを目指した。
クライアント:ヨーガンレール
計画種別:内装設計
用途:ブティック、ギャラリー
計画期間:2019年10月~2020年4月
計画面積:230.28平米
計画地:東京都南青山
設計:ケース・リアル 二俣公一 下平康一
施工:アレンズ クラフト
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基
写真:志摩大輔