京都御苑と鴨川に挟まれた静かな町、御所東にたたずむ小さな蔵のある屋敷の改修計画。施主は、長きに渡って食の企画を手掛けてきたフードディレクターと、日本の職人の手仕事を紹介してきたギャラリストの二人。彼らが「食」や「くらし」に向き合い共振し合う新たなスペースとして、「ギャラリー、ティールーム、オフィス、ゲストルーム」の4つの機能が相互に影響し合う、複合的な空間を目指した。計画ではオフィスを2階に、1階にはカウンター6席のティールームのほか、選び抜かれた焼物や日用の道具などを展示するギャラリー、ゲストルームを配置。全面改修したティールームとゲストルーム以外は、既存補修や部分造作に留めた。日本の屋敷に見られる空間の連続性や可変性をそのまま活かすことによって、複合的な機能がそれぞれ適度な関係性を成立させている。
クライアント:foodelco+日日
計画種別:インテリア改修
用途:ギャラリー、ティールーム、オフィス、ゲストルーム
期間:2015年4月~2015年11月
計画地:京都府上京区信富町
設計:ケース・リアル 二俣公一 有川靖
施工:ナカタニ工務店
照明設計:東海林弘靖
植栽計画・庭工事:菅藤恵輔
家具製作:田路宏一 、山本雄次
什器製作:Bernhard Lutzenberger、コンブ金物店
ロゴデザイン:Helmut Schmid
撮影:太田拓実