ヴィンテージウォッチやジュエリーなどを扱う「江口時計店 江口洋品店」の渋谷パルコ店の内装計画。施設全体の開館時間よりも短い営業時間での運営が決まっていたため、「開店/閉店」の状態をどのように視覚的に示し、商品管理のための防犯性をどのように確保するかが課題となった。
区画は二方向が通路に面し、長方形の一部が張り出したようなイレギュラーな平面形状である。私たちはL字の壁に沿ってディスプレイボックスをレイアウトし、これを手動式の横引きシャッターによって区画することで、店内を大きく2つに分けることを考えた。一方で、機能的にシャッター外の配置が可能であったリペアスペースと接客カウンターは、閉店時も常設で見える状態に。通常は隠蔽されるシャッターボックスを、ディスプレイショーケースと対にして敢えてガラス張りとし、さらにブース型のリペアスペースもこれに意匠を合わせ、店舗を特徴づける要素として構成している。全体は、情報量の多いフロアの中でも認識されやすいよう白とシルバー色で統一し、シンプルなカラーリングを意識した。
クライアント:江口洋品店 江口時計店
計画種別:内装設計
用途:ショップ
計画期間:2024年12月~2025年7月
計画面積:53.2平米
計画地:東京都渋谷区
空間設計:ケース・リアル 二俣公一 有川靖(パートナー)
施工:ブレイン
照明計画:モデュレックス
植栽:松葉屋
写真:志摩大輔