ファッションブランドのリテーラーの為の空間デザイン。バックスペースはオフィスとして常用、表側は主にショップ又はギャラリーとして機能し、時にはショーやパーティーなど多様なシーンにも対応し得るスペースの提示が求められた。各種用途に対応出来る照明・映像設備は当然ながら、ショップ機能がメインでもある以上、その際不可欠な商品陳列に使用する什器の存在をどう考えるかがキーとなった。つまり、ギャラリーその他として使用の際、それらが全く存在せずスペースに影響を与えないことを考えなければならない。そして、このフレキシブルな空間ではその増設や転用が容易に出来る状況、更にはその経済性までもクリアすることが好ましいと考えた。そこで私たちは、工場や倉庫で使用される安価な既成の重量用ラックに目を向け、これに適度なカスタムを施すのみで効率的にここで必要とされる機能性全てを手に入れることが可能であると考えた。自由な運営スタイルに順応し、既存システムを利用した棚などの既製パーツとミラーやハンガーなどのカスタムパーツの差し引きや本体レイアウトの変更も容易であり、且つオフィススペースに予め設けられたオープンスペースへこの什器全てを収納するためには5分と要さない。この手軽さが用途変換時のストレスを最小限にとどめている。
クライアント:有限会社アロハナイン
計画種別:内装設計
用途:ショップ/ギャラリー/オフィス
計画期間:2010年2月~2010年4月
計画面積:84平米
計画地:福岡県福岡市中央区大名
設計:ケース・リアル 二俣公一 下平康一
施工:オブ
撮影:水崎浩志