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ステージ1警固

福岡の中心部に建つテナントビルの新築計画。計画地周辺は飲食店や雑貨店、駐車場などが混在する商業エリアで、その一角にある約24坪というコンパクトな場所に、どのような建物が相応しいかを考えることになった。施主からの希望は、魅力あるテナントがこの場所にアクセスしてくれること。協議を重ね、やみくもに高層の建物を立てるのではなく、良質な低層の建物とすることでこれを実現することになった。さらに、外観としての印象を整えることはもちろん、入居するテナントが魅力的なプランを構成しやすい空間が準備されていることが、建物の質や訴求力を高める上で重要だと考えた。
その上でまず課題となったのが、階段の掛け方である。通常、今回のような低層のテナントビルでは、上層階へのアクセスを考慮して前面道路から近い位置で登り始めるように階段を掛けることが多い。しかしその場合、ファサードに占める階段の印象が強くなり、さらには2階の出入口が必然的に前面道路と反対側に位置することになる。そのため実際の室内レイアウトを想定した際、環境の良い前面道路側に厨房などのバック機能をレイアウトせざるを得ないことが予測された。そこで私たちは、今回敢えて通常とは逆転させた階段の掛け方を選択。こうすることで、2階においては建物背面側にバック機能をレイアウトしやすくなり、加えて背面側の床をダウンスラブとすることで、外部設備スペースから効率良い配管計画が出来ることも想定した。
また通常のテナントビルでは床面積の確保を重要視することが多いが、今回ある程度の面積は確保しつつ、ファサードの意匠を整理することを優先させている。具体的には、階段裏を室内として取り込んだり、2階の床を張り延ばしたりせず、各階の階高を4mと高めに設定した均質な箱型のボリュームと、ボックス状の階段というシンプルな構成で計画した。面積だけではなく、建物の顔となるファサードの印象も同様に重要だと考えた。階段の構造は、RCのキャンチレバー(片持ち梁)とし、これにLアングルでステンレスのパネルを組み付けている。そして手摺を介して各パネルを連結させることで、全体の強度を持たせると共に、必要なパーツを最小限にしてミニマルな印象になるよう徹底した。コンクリートの仕上げには、これら階段まわりのトーンを意識して淡いグリーングレーの保護塗料を使用し、建物全体の色調を馴染ませながら内外共に他との差別化を図った。

計画種別:新築
用途:テナントビル
計画期間:2020年11月~2022年7月
構造:RC造
規模:地上2階
敷地面積:78.27平米
建築面積:48.14平米 
延床面積:81.83平米
計画地:福岡市中央区警固
基本設計・デザイン監修:ケース・リアル 二俣公一 古里さなえ
実施設計:九州建設株式会社 樋口はる香
施工:九州建設株式会社 山本紘輔 牧野雄大
構造設計:株式会社ひなた構造設計 白水英路
撮影:水崎浩志

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