ジュエリーブランド「Bijou de M(ビジュードエム)」のための内装計画。六本木ヒルズにある10坪弱のコンパクトなスペースに、ジュエリーの持つ強さや繊細さの受け皿となるような空間を考えた。
計画は中央のディスプレイケースを中心に、カウンセリングのためのカウンターやミラー、テーブルなど、必要な機能を効率的にレイアウトしながら、店内を回遊できる構成としている。空間の大きな特徴となっているのは、全体に使用したステンレスである。施主は計画にあたり、ミニマルで無機質な空間を希望していた。これを受け私たちは、多様なカラーで展開するジュエリーの背景として空間が成り立つことは勿論、プロダクトの強さに負けない質感と硬質さが必要だと考えた。
中央のディスプレイケースや壁面、カウンターなど、店内の造作の大部分をステンレスで仕上げ、スケルトンの空間の中に挿入している。そして、ケースやショーウィンドウのガラスエッジ、ステンレスの造作など、随所に大らかな丸みをつけて空間に柔らかさとまとまりを持たせた。さらにカーペットやディスプレイの内部にブランドカラーのピンクを使用し、全体はミニマルで無機質な雰囲気としながらも、強さと繊細さを併せ持つブランドの空気と調和した空間を目指した。
クライアント:ビジュードエム
計画種別:内装設計
用途:ジュエリーショップ
計画期間:2023年12月~2024年9月
計画面積:31平米
計画地:東京都港区六本木
設計:ケース・リアル 二俣公一 下平康一
施工:ディーブレーン
照明計画:モデュレックス
写真:志摩大輔